top of page

展示情報

2023年8月1日(火)~8月31日(木)

十一面観音菩薩立像
長浜市余呉町国安・国安自治会蔵

木造 古色 彫眼 像高110.8cm 室町時代

長浜市指定文化財

国安小サイズ.jpg

 頭上に髻を結い上げるが、前後左右の四方に髪束を表し、さらにその上方で同じく四方に髪束を振り分ける。その上に頂上仏面をいただき、現状では、結い上げた髻部前方に頭上面を二面、地髪部に七面を配す。腰を軽く右にひねり、左膝をややゆるめ、左足を若干前に出して蓮台に立つ。左手は屈臂して胸前にて錫杖を握り、右手は垂下して掌を前に向け全指をのべ与願印を表す。
 現在は左手に錫杖を持つが、当初は蓮華を挿した水瓶を執っていたものと考えられる。いつの時代か、長谷寺(本尊は錫杖を持つ)信仰の影響により、この像にも錫杖を持たせたものであろう。
 笑みをたたえた豊かな頬、複雑に乱れるも形式化された衣文、腰の引き締まった程よい肉付け、バランスのよい体躯などに特色があり、室町時代頃の作風を示している。

bottom of page